海老原一司のBlog -論理思考講師とエグゼクティブコーチ

海老原一司のBlog -論理思考講師とプロマネとエグゼクティブコーチ

カオスなプロジェクトのプロマネ資質は「意志決定力」と「想像力」

プロジェクトマネジメント考察シリーズ1。
不確実性が高いカオスなプロジェクトのプロジェクトマネジメントに必要な資質について考えてみました。
 
基本的なプロジェクトマネジメントスキルは様々です。しかし、高度なスキルが求められるカオスなプロジェクトで必要で、かつ、大きく差が出るプロジェクトマネジメントの資質は「意志決定力」「想像力」ではないかと思います。
(2019/03/15現在)

1.不確実性の高いカオスなプロジェクト

 新サービス企画歴10年、コンサルタント歴5年、セールスエンジニア時代も含めると、20年間「不確実性の高いカオスなプロジェクトのプロジェクトマネジメント」ばかりやってきました。いわゆるVUCAなプロジェクトです。
不確実性の高いカオスなプロジェクトの多くは、「誰もやったことがないプロジェクト」「少なくとも社内に経験者がいないプロジェクト」です。
 
誰もやったことがないので、プロジェクトマネジメントの基本である、妥当なスケジュールを作ることも難しい。また、プロジェクトの実現性判断や、想定されるプロジェクトリスクを洗い出すことも困難です。
 
濃淡あれど、いつ何がおこるかわからない、カオスな状況になります。システム開発などは、比較的定型化しやすいですが、未踏プロジェクトでは、プロジェクトの定義からして曖昧です。

2.カオスなプロジェクトのプロジェクトマネジメントに必要な2つの資質

 社内で誰もやったことないプロジェクトマネジメントばかりやってきた海老原の経験上、高度なスキルが求められるカオスなプロジェクトで必要で、かつ、大きく差が出るプロジェクトマネジメントスキルは「意志決定力」「想像力」ではないかと思います。

2-1.意志決定力

意志決定ポイントは無数
プロジェクトは意志決定の連続。不確実性の高いプロジェクトでは、粒度の小さいところまで含めると数百から数千の意志決定があります。
 
プロジェクト全体で議論・合意すべき意志決定ポイントを絞れるか
このたくさんの意志決定を高い精度で高速にできるか。
逆にいうと、いかにプロジェクト全体で合意しなければいけないような少数の意志決定論点を選べるかが、プロマネの腕の見せ所です。
 
1,000個の意志決定があるなら、全部議論したらきりがありません。そのうち議論すべき数%=10~30個程度の重要な意志決定論点を選ぶ必要があります。
 
細かい意志決定を自信を持って、高速に判断できるか
1,000個の意志決定で、議論すべき数%=10~30個程度の重要な意志決定論点を選びます。それ以外の970~990個の意志決定は、プロジェクトマネジャーが自分自身の判断で行います。この細かいたくさんの意志決定を自信を持って、高速に判断できるかが、カオスプロジェクトのプロマネに求められます。

2-2.想像力

意志決定力に加え、重要と思うのが「想像力」です。
ここでいう「想像力」は、クリエイティビティではありません。未来を予測する力、想定する力、といえば良いでしょうか。
例えば、「プロジェクトで何がおこるか?」「ボトルネックは何か?」「リスクは何があるか? そのうち最も起こりそうで、起こるとまずいものは何か? どう対策するか?」
カオスプロジェクトを回すには、プロマネには、抜きん出た想像力が必要です。
 

3.プロマネの資質「意志決定力」と「想像力」を高めるには

3-1.意志決定力を高める

プロジェクトオーナーとプロジェクト定義をしっかり握る

自信を持ってプロジェクトの意志決定をするためには、何が必要でしょうか。メンバー理解も必要ですが、あえて1つに絞るなら「プロジェクトオーナーの目的に沿っていること」が必要です。

  • プロジェクトオーナーの目的・達成したいことが、明確にわかっている。
  • プロジェクトオーナーとプロジェクトの目的・アウトプット、スケジュールなどが、明確に握れている。

プロジェクトオーナーが上位目的として求めていることがわかれば、個々の意志決定は、「上位目的が実現できるか?」という基準で、いちいちオーナーに確認しなくても、意志決定できるはずです。

ここで自信を持って意志決定するためには、「『絶対的に』正しい意志決定ができるか」はもちろん「 『オーナーの目的に沿った』正しい意志決定ができるか」が重要です。

 

 

3-2.想像力を高める

 想像力を高めるには、身もふたもないことを言えば、とにかく想像することです。まずは量。ただ、その時のコツはあります。相手の立場に立つことです。
 
プロジェクトメンバーやプロジェクト外のキーマンの立場に立って、プロジェクトをすすめる上で、どんな行動をとるか? その結果、誰がどう感じるか?を想像してきます。
特に私が重視しているのが、リスクを発見し対処することです。プロジェクトマネジャーは、リスクの発見と対処だけできて、計画通りにすすめることさえできれば合格だと思います。
リスク発見すること、どのリスクに対処すべきか見極めること、に必要なのが想像力だと思います。