海老原一司のBlog -論理思考講師とプロマネとエグゼクティブコーチ

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ブレグジット合意なき離脱騒動-論理思考で考えればもめるのは当然

■日常論理思考ーブレグジット考察『論理的帰結としての「合意なき離脱」』

ブレグジットで、イギリスとEUの交渉は、泥沼になってますね。

 

『合意なき離脱の可能性高まる』のニュースをみて(2019/03/30現在)、半年前に論理思考研修で、添削した「パートナー契約交渉のメール」を思い出しました。多分同じ構造です。

もちろん、どんなことでも国民の総意をとるというのは、元から難しい。ただし、ブレグジットの合意なき離脱騒動には、合意できない/合意しにくい論理的理由があると思います。

 

■ロジカルシンキング研修の一コマ:

●ロジカルシンキング研修題材『契約交渉メール』

以前論理思考研修で、受講者から題材として出た「パートナー契約交渉のメール」がありました。

パートナー契約交渉がうまく進まない。パートナーから色よい返事が来ない。私は、交渉の進め方に問題があると考えました。

交渉の論点は?

【海老原】「更新する契約書に、この条項をいれられるか?否か?の2択を聞いてますね。今の契約書に、この条項の『入れる/入れない』だけを論点にすると、交渉成立しないの、わかります?」
【Aさん】「えっ?おっしゃっている意味がわからないです」

 

交渉論点は「条項の有無」と「有りのときの条件」の2つ


【海老原】「この条項って、入る/入らないの0/1以外に、●●ヶ月って期間の条件が、パラメータとしてありますよね?」
【Aさん】「それは、あとで交渉する予定でした」
【海老原】「なるほど。でも、『入る/入らない』と『入る場合の期間条件』の2つの論点をセットで交渉しないと、進まないと思いますよ。
条件不確定でYesとはいえないですよね。特に今回、相手にはマイナスしかないので、この条項を入れたくない、というのが相手の基本スタンスと思います」

条件を含めた2つセットで論点にしないと合意できない

【海老原】「ところで、どんな返事が来ましたか?」
【Aさん】「『再度社内で検討します』とのこと。検討待ちです」

【海老原】「それは、『頑張りましたが、だめでした』という回答が濃厚そうですね。

『有無』と『有りのときの条件』はセットで、交渉しないと。相手は、合意できないと思います。」

【Aさん】「がーん、だから1週間返信ないのか・・」

 

 

●論理的帰結

★交渉は、0/1で考えるとまずい。主要な条件はセットで合意すべし

 

■交渉の論理とブレグジット交渉過程の失敗

  • 交渉では、関連する条件はセットで考えないと交渉が進まない
  • 0/1の2択で考えるだけではまずい。 交渉での「条件」とは、複数項目の組み合わせ
  • とすると、EU離脱有無だけ先に決めて、EU離脱条件を後から議論すれば、論理的帰結として当然もめる